[海外赴任体験談]バンコク駐在員が現地人とうまく働く方法

海外赴任先国 | タイ |
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海外赴任先都市 | バンコク |
海外赴任時期 | 2014年4月から2017年3月 |
海外赴任開始時点の年齢・性別 | 29歳・女性 |
海外赴任者との関係 | 本人 |
私がタイに海外赴任をしたのは独身だった29歳の時でした。海外赴任が必ずある部署での商社勤めであり、それまでも海外出張は何度も経験していました。また、外国語大学出身で英語を得意としているため海外で働くことに不安は全くなく、必ず良い成果を出せると意気込んでいました。
海外赴任でのストレスと無力感
そんな意気込みとは裏腹に、現実は甘くはありませんでした。赴任1日目で私は日本との違いを思い知ることになりました。日本では社員1人1人が責任感を持ち会社のために、自分の目標のために必死で働いているのが普通という職場環境でしたが、タイでは日本から指示があったことをなるべく楽にこなしていく、というモチベーションの社員ばかりでした。
私は日本人駐在員としてタイ人をマネージメントするポジションでしたが、もうどこから変えていけばいいのか分かりませんでした。どんな風に何度注意をしても、優しくアドバイスをしても全く届かないのです。
遅刻は日常茶飯事で昼食をとりに行ったまま2、3時間帰ってこないことも普通にあります。朝も昼も夕方も自由におやつを買いに行きますし、ゲームをしながら仕事をしています。それをダメだよと言うと、「何がだめなの?そんな怖い顔をして大袈裟よ」と、逆にこちらをバカにするような態度をとることもあります。
言葉の壁ではない大きな隔たりを感じ、ストレスと無力感で本当に疲れ切ってしまいました。
タイ人社会での人付き合い
私の赴任生活が変わるきっかけが、私が体調を崩し病院に1人入院することになった時のことでした。デング熱にかかってしまい入院したのですが、海外で1人暮らしをしている私には頼れる家族も友人もいません。
そんな私を助けてくれたのは、会社のタイ人たちでした。仕事が終わってから毎日夜遅くまで交代で私に付き添ってくれ、病院での手続き、着替えなどの身の回りの世話までしてくれました。誰1人嫌な顔をせず、本当に親身になってくれました。
私は当時、ストレスで気持ちが弱くなっていたこともあり、思いがけない優しさに涙がポロポロこぼれました。そして私は自分がタイ人の仕事しか見ていなかったことにようやく気付いたのです。
それ以来、会社は人付き合いの場、まずは人として付き合うことを考えるようになりました。日本の方が正しい、優れているといった思いがあったため少しでも日本に近づけようと1人でもがいていたのです。
でもタイにはタイの働き方、考え方、仕事の進め方、人との付き合い方があり、タイに来ている以上タイのことを教えてもらおうという気持ちを持つことにしました。それ以来、タイ人社員との付き合い方が変わり、徐々に信頼関係を築けるようになりました。
タイでの駐在員として学んだこと
私が3年間のタイ生活で学んだことは、タイではなにより助け合う気持ちが重要だということです。誰かがミスをしたら、責めるのではなくフォローするのが当たり前です。
遅刻したタイ人には大丈夫だよ、と言ってあげることでその分頑張ろうと思ってくれる人が多いです。「なんでできなかったの?考えて正確に報告しなさい」と注意するのではなく、どうしたら良かったのか一緒に考えようと寄り添う姿勢が重要です。そうでなければタイ人は離れていきます。人がいなければ、仕事は進みません。
タイに赴任している駐在員の考え方は千差万別です。とにかくプレッシャーをかけ続けなくてはいけない、という考えの駐在員も多いです。自分がタイでどんな働き方をしたいか、経験者の話を参考に赴任前から考えておくといいかもしれません。
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