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アメリカで妊娠、出産するときの基礎知識

昨今は年齢の若い駐在員が増えているので、駐在が決まったときもしくは駐在中に妻が妊娠という事例が少なくないそうです。夫の会社でも、私を含め1年間に3回妊娠出産事例がありました。今回はアメリカ滞在中に妊娠した場合の基礎知識をご紹介します。

アメリカで妊娠したら

妊娠の兆候が現れたとき、まず探すのはOB/GYMと呼ばれる産婦人科医です。初診の予約は、だいたい妊娠8週頃から可能となります。8週前の期間が妊婦さんにとってはとても不安な時期にはなるのですが、アメリカならではの「確定できない時期に見ても無駄」という合理的な考えからか妊娠超初期段階での予約は受け入れていないのが一般的です。しかし、何か異常な状態の場合は、診てもらえますので安心してください。

妊娠〜出産までのプロセス

検診

アメリカの場合、出産までは担当ドクターのオフィスで検診を受け、出産するときはそのドクターが所属、または提携している大病院にて行います。検診回数は初期〜32週頃までは月に1回、〜36週頃は月2回、それ以降は週1回と増えていきます。

検査

妊娠中に受ける代表的な検査は、出生前診断(Screening)、妊娠糖尿病検査(Gloucose Challenge)そしてエコー(Ultra Sound)です。出生前診断は大多数の妊婦が受けており、種類も様々です。高度なものは一定の条件を満たさないと保険適用外になったりといろいろありますので、まずはご自身の保険会社及びドクターとよく相談をしてください。
エコーについては、日本だと検診のたびに見てくれる場合は多いようですが、アメリカではエコー自体が技術職であり、基本的には技術料が取られます。ドクターがエコー技師の資格を有しておらず別のオフィスで見ることになる場合もありますし、民間でエコーをしている会社もあります。
私の場合は検診に含まれるエコーは3回。基本的には2Dで、4Dは民間会社がやっているのが主でしたので、民間で4Dを撮ってもらいました。費用は300〜500ドルほどです。

出産

忘れてはいけないのが、出産予約。担当ドクターから案内のある病院に出産予約を入れてください。この際に病院主催の出産前クラスの案内がされると思います(有料)。正産期に入ってからは出産の兆候が現れたらドクターではなくこの病院に連絡を入れ、指示を仰ぎます。

出産時はアメリカでは主流の無痛分娩か普通分娩、帝王切開などで状況が異なります。大体目安としては陣痛が5分間隔になってから入院〜産後1泊2日、帝王切開では2泊3日で退院となります。

小児科医

妊娠後期には、産後に担当してもらうPediatrisianと呼ばれる小児科医を決めます。OB/GYMが紹介してくれる場合もありますが、自分の保険の提携先から探すのが一般的です。出産時にこのドクターの名前を病院に伝えれば、出産後に病院までドクターが来てくれます。出産までに見つけられていなくても、その病院のドクターが診てくれるようにはなっていますが、保険やその後の子供の健診の関係もありますので、事前に決めておくに越したことはありません。

出産するのは日本?アメリカ?

出産を日本でするか、アメリカでするか?については保険の存在がカギになります。アメリカは公的な保険ではなく民間の保険に入るシステムですが、自分の所属する会社がその保険に入っている場合と、駐在員向け長期海外旅行保険に入っている場合があります。前者はドクターは限られますが妊娠出産はカバーします。後者はカバーしないため、全て実費となります。大体の目安ですが、検診から出産までで200万ほど、もしも万が一生まれたこどもがNICUに入った場合、一日で30万以上の費用がかかります。この実費をカバーするか否か?は会社によって対応が分かれます。

また、次に心配なのが言葉です。日本人が多いロサンゼルスのような地域には日本語が通じるドクターもいますが、その他の地域では難しいでしょう。それに、分娩時彼らは生まれるギリギリまで現れませんので、出産する病院では結局英語で対応しなければなりません。ただ、病院によっては通訳がいる場合もありますので、問い合わせてみましょう。

アメリカでの妊娠、出産のメリット

出産時

陣痛から出産まで一部屋で行われるLDRという方式が主流です。産後も基本的に個室で子供も一緒に過ごしますので、家族とのプライベートが保たれますし、日本のようにいちいち授乳のために新生児室に行く必要もありません。その代わり、赤ちゃんお世話は全て最初から自分でやらなければなりません。

出産後

やはり、一番のメリットは、生まれた子供にアメリカの市民権(citizenship)が与えられるということでしょう。人生の選択肢が増えるという点ではとても心強いと思います。ただ、未だ誤解が多いようですが、それに伴い両親に永住権(グリーンカード)が与えられるということはありません。昔はそのようなことや、ガーディアンVISAと呼ばれるものもあったそうですが、現在は廃止され、成人した市民権を持つ子供が親を扶養できる場合にはグリーンカードが発行される可能性があるのみです。

何より、私が一番良かったと思っているのが、妊婦、子連れに対して社会が暖かかったことです。日々の生活の中でたくさん手助けをしてもらえますし、優しい言葉をかけてくれる方も多いですよ。

アメリカでの妊娠、出産のデメリット

上記の言語、費用の問題はもちろんですが、医師の対応が個人主義で事務的だと感じました。先述した通り、医師はつきっきりにはなってくれませんし、エコーも最低限です。受け身でいるとなんの情報も与えてはくれませんので、自分でなんでも調べて対応、分からないことは質問する必要があります。
また、入院期間が短い上に、乳児健診は1週間後からあります。ドクターのオフィスに行く必要がありますので、体力的には厳しいと思います。(ドクター曰く、無痛分娩だと産後が楽、というわけではないそうです)

出産後の手続き

アメリカの出生届及び社会保障番号(SSN)の手続きは、出産した病院がしてくれます。退院までに担当者が書類を持って説明に来ますし、事前に案内がもらえると思います。1〜2ヶ月ほどで出生証明が発行できるようになるので、その後米国のパスポートの申請ができるようになります。
アメリカパスポートの申請方法につきましては、アメリカ合衆国国務省のページに詳しく載っておりますのでご参照ください。

日本側の出生手続きは総領事館もしくは大使館のWebサイトに必要書類や流れが書いてありますので、ご確認ください。アメリカで日本の出生届を出した場合、それが戸籍に反映されるまで1ヶ月ほどかかりますので、その後戸籍謄本を取得し、パスポートの発行に進みます。

慣れない土地、言葉に不安を抱えての妊娠、出産は大変なことですが、同時にとても有意義な経験になると思います。少しでもスムーズにことが運ぶよう、しっかりリサーチして臨みましょう。

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